悩ましい鉄骨階段の意匠

2023.08.30雑記
悩ましい鉄骨階段の意匠:アトリエ永日

建て方に向け、基礎工事が完了し土台を伏せにかかっている大垣市の新築住宅現場と、
金額調整中の輪之内町の新築住宅では鉄骨階段を設えることとなっています。

鉄骨階段を設計する際、いつも悩むことになるポイントが2つあります。

まず最初に、「ささら桁の床へのおさめ方」です。
何も考えずに(一般的には)検討していくとスチールのささら桁は上部から斜めに床に向かって下りてきますが、1段目付近で床に垂直に曲がっておさめることが多いように思います。

鉄骨階段 スチール階段 ささら桁写真
ささら桁が床に向かって垂直におさまっている

このおさまりになるのは、床材との施工、床下で固定するためのプレートなどの施工がしやすいことがあります。そのほかにはこのささら桁が1段目の段先よりも出っ張りすぎていると曲がっていく際に足の小指をぶつける危険があります。(せっかちな僕は確実にぶつけるはず、、)

ですが(僕的には)ささら桁を曲げずに真っ直ぐのまま床におさまっていく方がかっこいいと感じます。
ただ上記のように小指が心配だということで、悩み始めます。
段板の取付位置をささら桁に対して可能な限り前の方で、、としてもささら桁の方が出てきます。
手摺子と絡めてささら桁をどうにかおさめるか、、と沼っていきます。


間取りや各おさまりなどを検討して仕方なく(やりようがなく)この意匠で進めるときもありますが、
大垣市の新築住宅と輪之内の新築住宅では違ったおさめ方で進めることにしています。

一つはΦ60の丸柱を立て、ささら桁をぶつけていくことによってササラ桁が床に当たらないようにする。

勾配天井の吹抜けリビング

もう一つは1段目を鉄骨階段とは別にし、立方体を床に置いたように見せそれに向かって斜めのささら桁がおさまる意匠とする。

鉄骨階段2 ささら桁 モルタル
1段目をモルタルとし、それに向かってささら桁が伸びていく意匠としている (3Dイメージ)



悩むポイントのもう一つは、手摺りの意匠です。
手摺子は階段の段数でうまいこと本数を割れずバランスをどのようにするのか、
木なのかスチールなのか、丸か四角か、、
固定ヵ所はささら桁の内側か外側のどちらで溶接するのか、はたまた段板を使って固定するのか、
施主に合わせた手摺の高さは?頻度は?
軽く見せるのかがっしり見せるのか?

他には、固定する際のボルトを仕上げ側に見えてこないように床下や、壁内でおさめることもきれいに見えるポイントになるため都度検討を重ねています。

などなど、、
検討することは尽きないです。

上手くおさまったと思っても、時間が経ってふと見たときに「こうしたらもっと素敵になるやん」と再度検討に入ることもしばしば。
そう考えると鉄骨階段は設計者の色が出やすいところなのだと思う。
(施主からはささら桁の要望はあるかもしれない)

blog よく読まれている記事
2022.09.20

白模型

最近は3Dパースがとてもリアルに出せるので、模型を作る機会が減ってきてます。 僕が建築を始めた当初も3Dパースはありましたが、今ほどソフトが使いやすくもなく、仕上がりもイマイチ、、手間がかかるものでした。 当時、模型を作って室内への日光の入り具合を模型に角度付けて照明を当てて検討したり、施主へのプレゼン時にイメージをしやすいようにする為作ってました。 それが最近は簡単に3Dデータを立ち上げ、レンダ

2024.05.01

お引渡しを終えました(輪之内の平屋)

お施主様のご厚意を頂きまして完成見学会を行っていた輪之内町の平屋。先日、無事にお引渡しをさせていただきました。 お施主さんの要望や材を選択していくなかで、ほぼブレることなく考えがまとまったまま進んでいったこともあり、真っ白な壁天井にモルタル、鉄、彩度が薄い木材を使ったミニマルな空間。「新築を建てよう!」となった際、あれもこれもと悩み、当初の意図からずれてきてしまうことは往々にあります。そうならない

2024.03.20

壁天井の塗装工事完了(輪之内町の平屋)

輪之内町の平屋現場では室内の壁天井、家具などの塗装工事が終わりました。お施主様と、もとからイメージしていた白の空間。白の色味というのは非常に難しく、白でも温かみのあるクリーム系なのか、少し冷たく感じる青系、白から黒に向かう系なのか幅が広いです。今回は白から黒に向かうトーンから塗装サンプル3枚を職人さんに作ってもらい、決定となりました。 まだスチール階段の塗装は終えてませんが、壁よりも少しグレーに近

建築に関するご相談、講義依頼など
お気軽にお問い合わせください

お問い合わせ