現場も図面も追い込んでいる

現場も図面も追い込んでいる:アトリエ永日

気づけば、1日が秒のように過ぎていく。
夜な夜な図面を描きながらオールナイトニッポンを何気なく聞いていると、「あ、もう一週間経ったのか」と少し呆然とすることがある。
特に毎年、12月・1月・2月は本当に早い。年を重ねるごとに、どうも時間軸がズレてきているような感覚すら覚える。


なぜ時間は早く感じるのか。
よく言われるのは「新しい経験が減るから」だとか、「自分の時間軸の分母が増えていくから」、「日常がルーティン化するから」だとか。確かにそれも一理あると思う。ただ自分の場合は、それだけでは説明しきれない気もしている。
やるべきこと、考えるべきこと、決断しなければならないことが常に頭の中にあって、ひとつ終わったと思ったら次の波がすぐにやってくる。むしろ平行的に色々決めることがある。振り返る間もなく、時間だけが先に進んでいく。そんな感覚。

屋根 竪ハゼ



一馬力で事務所を動かしている今、体調管理には以前にも増して気を配っている。
無理がきくようで、実は一番脆いのも自分自身だと分かっている。



何度か計画が変わった事務所の建築も、ようやく来年建てられる目処が立った。ここに来るまで、思い描いた通りに進まなかったことも多いが、それも含めて今の形に落ち着いてきたように思う。

一方で、スタッフを募集するかどうか、未だに悩んでいる。
仕事というのは、人の人生を大きく左右してしまう力がある。雇うということは、その人の生活や時間、将来に責任を持つということでもある。その覚悟が自分にあるのか、何度も自分自身に問いかけている。

もちろん、一馬力と二馬力では、できることの幅がまったく違うのも事実で、
自分ひとりではどうしても手をかけるのが大変なこと、自分の馬力を信じすぎないこと、とにかく長くお施主さんと付き合っていかなければいけない仕事だからこそ、もっと自分を大切にしなければと思うようになった。(あきらかにおじさん化しているだけ)


今年もいくつか現場があり、現場に足を運ぶ時間はやはり自分にとって大切なものだった。
着工時には大きいところの意匠や色などの決定、少し時間に余裕ができ、次は細かいところの意匠決め。図面とは違い現場では多少厄介なことが起こることもあるが、工務店のおじさんと一緒に僕と施主が求めているものを生み出せるよう検討を重ねていく。



そして来年は、実際に動き出す案件がかなり控えている。それに向けた調整や準備、まだプラン段階のものも数多くある。ひとつひとつに、より身をかけて向き合っていく年になりそうだ。



それにしても、建築費の高騰は止まる気配がない。
毎月のように何かが上がり、建てたい人も、設計する側も、不安を抱えたまま進まざるを得ない日々が続いている。
補助金や政策などで、どうにか良い方向に向かってほしいと思う反面、世の中全体でやるべきことが山積みなのもなんとなく分かっている。簡単な話ではない。



それでも、時間が早く過ぎていくと感じる今だからこそ、ただ流されるだけにはなりたくない。
立ち止まり、考え、選びながら、少しずつでも前に進んでいけたらと思う。
気づけばまた「あっという間だった」と言っているのかもしれないけれど、その中身だけは、ちゃんと濃い一年にしていきたい。

石束

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