白模型

2022.09.20雑記
白模型:アトリエ永日
岐阜市の設計事務所アトリエ永日による白模型

最近は3Dパースがとてもリアルに出せるので、模型を作る機会が減ってきてます。

僕が建築を始めた当初も3Dパースはありましたが、今ほどソフトが使いやすくもなく、仕上がりもイマイチ、、手間がかかるものでした。

当時、模型を作って室内への日光の入り具合を模型に角度付けて照明を当てて検討したり、施主へのプレゼン時にイメージをしやすいようにする為作ってました。

それが最近は簡単に3Dデータを立ち上げ、レンダリングをかければ1日で完成させることができます。

家具や植栽、インテリア素材もソフト内に準備されていたり他サイトから引っ張ってこれたりもするので、単純に家具や小物がない不自然な室内ではなく、より生活している環境に近い空間を作成でき、リアルに見える表現ができるようになってます。

岐阜市の設計事務所アトリエ永日による内観イメージパース

僕が使っているソフトでは、緯度、経度、方位など敷地情報を取り込むことができるため、3Dデータ上で日光がどれくらい室内に入ってくるのか、窓の大きさ、位置など開口部の検討が可能です。3Dを作り終え、レンダリングした画像を確認するといつも「おっいい感じやな」と思い、施主が喜んでくれるかなーっと思いにふけます。

岐阜市の設計事務所アトリエ永日による内観イメージパース

ただ僕自身完成したパース画像を見てもあまり心にはグッときません。

3Dはイメージなだけであって偽物です。また雑誌や広告で見るような広角でのカメラ表現ができ、実際に目で見て、空気感を感じる広さとは違っているからです。

もう一つ、、、頭の中にあるイメージを3Dでアウトプットするわけですが、素材や色見を付けてしまうと、そのイメージが強くなってしまい、その後違った意匠に変わっていくかもしれない可能性を狭めてしまうことが怖かったりもします。笑

岐阜市の設計事務所アトリエ永日による白模型

ですので、施主が図面だけでは分かりにくいと思うので、「こんな感じですよー」とプレゼン時の補助的な役割として作成します。

上記のようにプランが固まるまでは考える幅を狭めないよう、模型を作るときも白模型とすることが多いです。(施主からの素材も張ってほしいという要望があるときは張ります!、、時間があるときは、、、)

最近は模型を作ることが少なくなりましたが、スチレンボードを切ったりバルサ材を付けたり、、作ることはとても好きなので時間を確保して作りたいと思います。

blog よく読まれている記事
2025.08.27

一緒に考える

現在、実施図面作業中の案件が3件、さらに1件は金額調整の真っ最中です。図面を描くとき僕の頭の中はいつも、お施主さんがどう生活するだろうかという妄想でいっぱいです。 たとえば、「ここに重たいものを置きたいとおっしゃっていたから、床付近がいいかな?いや、腰をかがめずに置ける高さのほうが、日常的には楽じゃないかな?」「せっかちな方だから、曲がり角で壁に手をつくかもしれない。それなら塗装のままじゃなくて木

2024.06.27

岐阜市,大垣市にて住宅計画中

2月、4月に行った完成見学会に来ていただいた方からのご相談を頂きまして、新築の住宅と改修工事の計画を進めております。 見学会を行った場所が大垣市と輪之内町ということもあり、その近隣で計画している方も多かったのですが、Instagramで見て頂いた遠方の方がお越しいただけたことには驚きました。遠いところは山梨、高山市、常滑市、、情報が簡単に手に入る時代なのでピンポイントで求めているものが見つかりやす

2024.04.01

谷村美術館探訪

先月、雪が落ち着いた頃に学生時代の恩師からお誘いを頂き、糸魚川市にある谷村美術館を訪ねてきました。 設計者は村野藤吾さん、当時の流れであるモダニズムとは離れた建築を手掛けており、現代ではなかなか実現できない意匠を残している。 手掛けられた設計の中でも僕の心を動かす上位のものに谷村美術館がある。シルクロードに建つ石窟をイメージしたという建物群は、なぜこうなっているのかと考えることはやめ、純粋に造形を

建築に関するご相談、講義依頼など
お気軽にお問い合わせください

お問い合わせ