大工工事が終わったと綴ってから時間が空いてしまった瑞穂市の平屋は、
既に工事が一通り終わり、完了検査も何事もなく終えました。
そして、10月初旬にお引渡しをさせて頂きました。

大工工事が終わった後は外壁のジョリパットの色決め、室内の塗装色決め、
タイルの型番決め、建具デザインの決定等など直接意匠に係ってくるところを決めていく。
ジョリパットや塗装壁なんかはいつも思うのだが、
選ぶときはとことん悩むが、いざ塗ってしまうと、選んだ時から少し時間がたっていることもあって、
お施主さんは「こんな感じになったんですね!」「イメージ通りになったか分からないがいいね!」や、たまに「これを選んだっけ?」状態になる。笑
比較検討しているときですら、似たような色の濃い・薄いを比較しているのだから仕方ない。
そもそも比較している色を一緒に選んでいる時点で、変なことにはならないもので、間違いなく良い感じになります。
玄関から犬走りまでの土間を洗い出し。
洗い出しにもいろんな仕上がありますが、よくやるのは土間コンの骨材を少し多めにしてもらってそれを洗い出す方法。
豆砂利も好きだが、和に寄りすぎるし結構滑る。珍しい石も入れたりもいいですよね。
外部の土間コンは金ゴテにしたい方も多いですが、雨がかりのところだと雨に打たれて経年で雨洗い出し仕様となっていく。駐車スペースであれば金ゴテだとタイヤ後も目立つ。それなら初めから洗い出しに仕上げてガビガビに。汚くはないけど雑な仕上げにしておく方がピカピカ感なくはじめから少し落ち着いた感じでのスタートができます。


延床面積32坪、L字型の平面構成とした平屋の住まいです。
今回の住まいでは、建物の性能と日々の暮らしやすさ、その両方を大切にしながら設計を進めてきました。
普段の設計では、木製窓をはじめ、開口部も既製品に頼らずオリジナルで製作することが多いのですが、今回はGX志向型住宅としての性能を確保するため、いつもとは少し違った考え方で計画しています。断熱材には吹付ウレタンを採用し、UA値は0.39。BELSによる評価を受け、みらいエコ住宅2026事業の補助金110万円も活用しています。また、最近の設計では採用する機会が少なくなっていた太陽光発電も、今回は屋根に設置しました。
住宅の性能を高めることは、もちろん大切なことです。
ただ、それだけではなく、日々の暮らしが心地よく、無理なく過ごせる住まいであることも同じくらい大切にしています。個人で営む設計事務所に住宅を依頼するというと、デザインに特化していると思われることも少なくありません。もちろん、設計事務所によって考え方や得意とすることはそれぞれ違いますが、僕自身は、住まいのデザインと同じくらい、住みやすさや使いやすさを大切にしています。
そもそも住宅の設計とは、建物の形を考えるだけでなく、そこでの暮らし方を考えることでもあると思っています。住みやすさだけを追求しても、豊かな住まいになるとは限りません。反対に、どれだけ美しい空間であっても、日々の暮らしにくさを感じるようでは、良い住まいとは言えないと思っています。

見た目の美しさや空間の豊かさはもちろん、日々の何気ない動作や家族それぞれの過ごし方にも目を向ける。
住みやすさと空間の豊かさ。
どちらか一方ではなく、その両方を丁寧に考え、無理なく自然に共存させていくことが、僕の住まいづくりの基本です。今回の住まいでも、日々の家事が少しでも楽になるよう動線を整理し、室内干しと外干し、それぞれのスペースを設けました。また、子供部屋と寝室は少し距離を取り、寝室からトイレへは近い動線とするなど、今の暮らしだけでなく、これから先の生活にも目を向けています。
毎日の何気ない動作が少し楽になったり、家族それぞれが心地よい距離感で過ごせたり。そうした小さな積み重ねが、暮らしの豊かさにつながっていくのだと思います。
設計から工事まで、長い時間をかけて形になった住まい。
お施主様には、大切な住まいづくりをお任せいただき、本当にありがとうございました。
また、工事に携わっていただいた皆様にも感謝申し上げます。
建物としてはひとつの区切りを迎えましたが、住まいとしてはここからが始まりです。これからの暮らしの中で、この家がご家族にとって心地よい居場所となり、たくさんの豊かな時間が育まれていくことを願っています。




