開口部の熱貫流率改正に思うこと

2023.07.21雑記
開口部の熱貫流率改正に思うこと:アトリエ永日

ひとつ前のブログにも書いたとおり、現在進んでいる大垣市の新築住宅ではエコすまい支援事業の補助金を取得するため、フラット35S(金利Aタイプ)を満たすよう設計をしました。

断熱等性能等級5以上、一次エネルギー消費量等級6を満たしていることを証明するための計算をし、無事に審査が通り、まずはホっと安心しました。
ですが、今回熱貫流率の計算をするにあたり、開口部の熱貫流率がどの仕様に当てはまるのか一覧から選択する際にドキッとしました。
今回算出したおうちの玄関ドアは木製の框組みとし、断熱材を仕込ませたフラッシュ構造(ガラスなし)としていたのですが、なんと熱貫流率を6.51としなければならないことが判明、、。
以前計算した時は4.65だったような、、
知らないうちに改正(改悪!!)しておりました。
建具枠に木を使用する場合、「枠の仕様」が「金属製又はその他」からのみの選択となり、さらに扉に金属を使用せず木とする場合、ガラスの有無にかかわらず6.51としなければいけないことに。

いくら製作のドアだからといっても、無垢の木で構成し、気休めだが断熱材も仕込んだドアが6.51になってしまうのか、、と悲しくなりました。
今回のおうちでもプラン時にざっくり計算していて、断熱、一次省エネの計算をクリアしていたのですが4.65で見ていた数値を6.51にしたところ全体のUA値が0.02も上がりました。笑
(それでもクリアしたので良かったですが、気が気じゃなかったです。)

木製ドアでも力を入れて開発しているメーカーさんだと熱貫流率の数値がかなり良い商品も出しておりますが、どうしてもおうちの空気感とは違っていたり好みの合わないものばかり、、
今後もオリジナルの製作ドアを設計していこうとは思いますが、かなり慎重にならないと危ないなぁと構えております。

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