LDKの改修工事が終わり、無事にお引渡しを迎えました。
今回の改修では、床・壁・天井と室内を大きく一新、いつもと同じくキッチンや収納などもおうちに合わせてオリジナルで設計しています。

改修前はRC造の建物ということもあり、躯体自体はしっかりとしていましたが、長年使われてきた中で床がふわふわしている部分があったり、壁のクロスが剥がれていたりと、内装には年数相応の傷みが出ていました。
せっかく手を入れるのであれば、単に傷んだ部分を直すだけではなく、これから先も長く気持ちよく使っていただける空間にしたい。そんなところから今回の改修計画が始まりました。
計画当初、キッチン部分の床はタイル仕上げとする予定でした。
水や汚れへの強さを考えるとキッチンとタイルの相性はもちろん良く、空間としても床材を切り替えることでキッチン部分を少し独立させるようなイメージでと要望がありました。

工事が進み、キッチン以外の床に無垢のチェリー材が張られていくと、その風合いがとても良い。
お施主さんがその無垢フローリングを見て、キッチンまで同じ床がそのまま続いていく方が、この住まいには合っているように感じるという相談を受け、一緒に考えたのち変更となりました。
図面上で考えていたタイルとフローリングの切り替えよりも、実際に現場で見るチェリーの表情の方が魅力的だったということですね。
お引渡しをし、改めてキッチンの空間みてみるとキッチンと後ろの収納まで1mほどあるので、無垢フローリングの良さを感じやすい、これで良かったんだなと感じました。
間仕切りとして設える収納家具についても同様で、
当初の図面からそのまま製作するのではなく、実際に出来上がってきた空間の広がりや動線、家具の見え方を確認しながら、現場でワイドを変更しました。
図面の段階で全てを決め切るのではなく、工事を進めながら「空間的にこちらの方が良いのでは」「実際の使い勝手はこちらの方が良さそう」と、お施主さんと一緒に現場で確認しながら決めていく。いつも通りですが、お施主さんによって気になるポイントが違うのは毎回楽しいです。
もちろん途中で変更することには工事上の制約もありますので何でも変えられるわけではありませんが、まだ変更できるタイミングであれば、当初の計画に固執せず、実際に出来てきたものを見てより良い方へ変えていくことも大切だと思っています。
ダイニングテーブルとチェアは、coya fine furnitureさんに製作していただきます。
家具についても空間とのバランスを見ながら、テーブルの大きさや椅子との関係などを打ち合わせで決めていきました。座面はファブリックと籐のものと空間に合わせて選択。
これから製作に取り掛かるため、実際にこのLDKへ家具が置かれるのはもう少し先になります。
工事が終わり、お引渡しをしたときももちろん嬉しいのですが、家具が入り、そこに人の暮らしが加わって、ようやく空間として馴染んでくるように思います。特に今回のような無垢のチェリーの床は、使い込むことで少しずつ色が深くなり、傷や日焼けも含めて表情が変わっていく素材です。新しくなったばかりの今が完成ではなく、ここから暮らしながら少しずつ空間が出来上がっていく。家具が完成したタイミングで、またお邪魔させていただき、その後の様子も見せていただければと思っています。

