上棟後、着々と進んでいる長良の新築住宅。
外部ではオリジナルのスチール小庇を外壁に先行して取付け後、外壁のガルバリウム鋼板張りに取り掛かっています。
内部では間仕切り壁や天井下地が進んできて、空気感を纏ってきています。
外部の小庇について、既製品をつける際は外壁を張った上から取り付ける仕様が多いため、
固定金具が見えることが多いかと思います。
どうしてもその固定部分が野暮ったくなるので、外部とはいえシンプルに美しく見えるよう、
スチールをLに曲げ、留め部を外壁下地内で処理して表側には出てこないよう設計しています。
このおうちは準防火地域なので、
木製窓は延焼ラインにかからない箇所でのみ設えています。
延焼ラインにかかる際は、防火戸を併せてつければOKなのですが、費用も掛かってしまうので、想いや軒が出ているか、予算に対しては、、?などいろんな面を考慮して決める必要があります。
このおうちでは打ち合わせを重ね、中庭に面する箇所に2つ、玄関先に1つ木製窓を設けることとなりました。依頼いただいた当初からお施主さんからの要望として名古屋の改修住宅で設計した木製十字窓を取り入れることがありました。この窓はとてもキャッチーな意匠となるので、玄関エントランスに設け、おうちの顔となるよう想いを込めています。
木製窓は雨ざらしの場所だと、どうしても不具合が起こるので、軒を出して安全寄りとする必要があります。なので、木製窓自体が高いというよりも、軒を出したり環境を考慮など、複合的に上がってしまうのですが、木製窓にしか出せない優しい空気感というのは代えがたいものです。
2025年からの法改正などによって、全体的に木製窓を設ける建築が縮小されていくと思いますが、
これしかない空気感を大切にして変わらず設計していきたいと思う。